季節に関係なく手足が冷える、夕方になるとむくみで足首がなくなる、便がなかなか出てくれなくてお腹の張った感じが気持ち悪いなど、男性よりも女性に多く見受けられる問題だと思います。

ダイエットは食事を制限するのも運動するのも続けることが難しいですしね。
今回は、お灸や鍼治療がダイエットや、冷え・むくみ・便秘の解消に役立つ方法かどうか見ていきましょう。
お灸や鍼治療でダイエットできる?
ひと昔前に耳つぼダイエットというものが流行りましたね。

耳にもツボが多く存在していて、そのうちのいくつかを繰り返し刺激してあげると徐々に体重が減少して痩せることができるというものでした。
ただ、流行り廃りを繰り返しているので毎年新しい方法が話題に上り、逆に消えていくダイエット方法もたくさんあり、耳つぼダイエットは道具や方法がやや専門的で自分だけで気軽に続けるのが困難という点で消えた方法の一つでしょう。

お灸や鍼治療はツボを刺激する点では耳つぼダイエットと共通する部分もありそうですが、お灸と鍼治療を使った時に得られる効果は直接「減量」(=「ダイエット」)にはつながりません。
お灸でダイエットより、お灸で美顔・美ボディ

ただ、体重減少を目指すダイエットにお灸や鍼治療の出番はないかと思いきや、そうでもないんです。
といっても自分に鍼を刺すのは怖いし、鍼治療を受けようと思ったらきちんと資格を持った鍼灸治療院に行くことがベストです。
お灸に関しては火の元に気をつけていれば、自分でお灸をすえることもできます。

また、薬局に行けばいろいろなお灸が売られています!
美顔・美ボディになる基本のツボ

美顔・美ボディを目指す前に、まず全身の体調を整えるという意味で足の裏にお灸をします。

ひび割れ、へこみ、ブヨブヨしている部分があれば、そこがお灸のポイントです。
さらに足の裏の中でも「かかと」にお灸をするのがオススメです。
「かかと」にお灸をするとふくらはぎの筋肉が緩んで血流が上がり、むくみが改善されるのと同時に足が温まります。

複数のお灸を同時にしてもいいので、1日の終わりに少量からかかとお灸を続けると体調が整ってくるでしょう。
目の下のくま、頬・口のたるみを引き締めるお灸

かかとお灸をしばらく続けてお灸に慣れて体調が整ってきたと思えたら、別のツボにもお灸をして美顔・美ボディを目指しましょう。
一つめのツボは「陥谷(かんこく)」です。
このツボは体の前面に影響するツボということです。
ですから、顔で言えば目の周りや頬・口まわりに滞っていた水分等を陥谷のお灸で循環させて引き締め効果を狙うということです。

もちろん体の前面にある胸や腰、足にもいい影響が出るそうですよ。
締まった腰とスッキリしたお腹にするお灸

次に「蠡溝(れいこう)」と「三陰交(さんいんこう)」というツボを紹介しましょう。

これらは美しいウエストラインを目指すのに一役買ってくれるツボです。
これらのツボにお灸すると背中や腰のコリを緩めて、コリが原因でできているお腹の両脇の筋張りを消してくれるそうです。

「蠡溝」と「三陰交」は子宮のケアにも重要なツボになっていて、ここをお灸で温めてあげるとこの悪循環を断ち切ることも期待できます。
お灸で冷え、むくみ、便秘を解消!

体の冷えやむくみ、便秘にお悩みの女性は多いですよね。
だからと言ってお医者さんに行っても明快な解決方法は提供してくれません。

「何とかしたい!」と思いつつ、長年のお付き合いが続いていることでしょうから、市販薬に頼ってしまうのは避けたいでしょうし、お灸を始めてみましょう。
お灸をする前に

お灸の前に一度体をリラックスさせましょう。
これで体の準備ができました。
冷えを解消するお灸のツボ

冷えの解消に効くとされるツボのうち代表的な3つを紹介します。
「申脈」、「太渓」、「湧泉」です。

これらは自律神経やホルモン調節にも欠かせないツボです。
後に別の目的にも同じツボが出てくるでしょうけど、頻出するツボほど体を整えるのに重要なツボだということです。
むくみを解消するお灸のツボ
冷えや運動不足による血液循環の悪さがむくみとなって現れます。

むくみやすいからといって水分摂取を控えるのは、体が水分を溜め込むように働いてしまうので、逆効果です。
むくみ解消に役立つツボは「陽陵泉」、「湧泉」、「解渓」です。
便秘を解消するお灸のツボ
便を運ぶ腸の筋力が弱いことによる便秘、精神的緊張による便秘、偏食による便秘、など便秘の原因も様々です。

以下の4つのツボにお灸をすることで、多くの便秘は解消に向かいます。
「足三里」、「合谷」、「天枢」、「中極」です。
鍼治療
以上はお灸を中心にお話ししてきました。
というのも、お灸だといつでも好きな回数だけ自宅でできる便利な体ケア方法だからです。

同様の効果は、鍼治療でももちろん期待できます。
鍼治療をしてみたいと思った時はエステサロン、もしくは鍼灸治療院に行ってみましょう!

美容中心の目的であれば鍼とお灸を扱っているエステサロン、冷えやむくみなどの不調を解消することが目的であれば鍼灸治療院に行くことをおすすめします。
はり師、きゅう師の免許所有者が施術してくれることに違いはありませんが、美容と治療それぞれの目的達成のために積み重ねた専門知識に違いがあると思います。
あと、お灸で思ったような効果が得られなかったとしてもエステサロン、鍼灸治療院に行って、相談してみることもおすすめしておきます。
体質的差異によってお灸では効果を実感できなくても鍼治療で格段に効果を実感できる場合があります(逆もあります)。
女性の体の悩みに応えてくれるのがお灸と鍼治療です

効果の程度や実感できるまでの期間に差はあるものの、お灸や鍼治療はダイエットや体調不良の解消に期待していい手段だと考えています。
美容のためのお灸と鍼治療、また、女性特有の体の悩みを解決するためのお灸と鍼治療。
何か一つ解消できたことを実感するものが見つかれば、お灸と鍼治療の虜になるかも知れませんよ。
参考文献
「美顔・美ボディ 美容お灸」、せんねん灸お灸ルーム著、株式会社講談社、2012年
「1日3分お灸タイムで体質改善&健康美! やさしく心地よい お灸の手帖」、山本綾乃著、株式会社BABジャパン、2014年