変形性膝関節症など膝の痛みはサポーターで緩和できる?種類や疾患別に効果のあるサポーターの選び方

トンデケア

膝 脚 痛み

悩まされる膝の痛みに、「サポーターでも使用すれば少しは楽になるのではないか?」と考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、いざ薬局やドラッグストアなどでサポーターを購入しようと思っても「種類が多くて選びきれない」、なんてことはありませんか?

膝の痛みと言ってもその原因は様々であり、サポーターを取り入れてつける事で普段の生活が楽になることもあれば、間違った選び方をすることで痛みは変わらないどころか悪化してしまう恐れもあります。

そこで、今回は膝の痛みに対しサポーターは効果があるのか、また効果的なサポーターの選び方についてまとめてみました。

 

サポーターに効果はあるの?

薬局ドラッグストアなどのコーナーの一角でサポーターは数多く置かれています。

膝の痛みの緩和改善に効果があるものとして販売されていますが、そもそもサポーターは本当に効果が期待できるのもなのでしょうか?

膝の痛みの原因として多くの方が悩んでおられる変形性関節症に対して、理学療法診療ガイドラインという理学療法士に対して出されているガイドラインではこのように述べられています。

膝サポーター(装具療法)に対しては、

「Grade:B 行うようにすすめる(膝サポーターじゃ、疼痛、バランス改善の効果がある。また膝外反装具は、膝サポーターよりも大きな効果がある)」

引用:理学療法ガイドライン「ダイジェスト版」

つまり、変形などが原因で起きている痛みに対しては効果ありと判定されているのです。

膝関節の変形は、生活の中で繰り返される刺激や、スポーツや何かの事故、そして加齢に伴う変化などが原因となり起こります。

その結果、膝の一部に負荷がかかったり、骨と骨がぐらついて上手く動かなくなくなったりすることで炎症が起こって痛みが引き起こされているのです。

そのため変形した部分や、負担がかかり過ぎている部分をサポーターによって補助してあげることで痛みの軽減が望めます。

サポーターの3つの機能

サポーターを使用することで、主に3つの機能を望むことができます。

1.圧迫機能

サポーター本体で膝を圧迫することで関節の安定性を向上させる。

2.支持・安定機能

支柱で支持することで関節のぐらつきを抑え、運動をスムースに行えるようにする。

3.保温

膝を温めることにより血行などの循環をよくする。

 

サポーターにはどんな種類があるの?

サポーターの種類によっても期待できる機能は異なってきます。

種類は大きく3つに分けることができます。

サポータータイプ:【保湿機能】

膝 サポーター 膝痛

ズボンの下などに着けやすく、膝が動かしやすいという利点がありますが、圧迫や支持機能には弱いです。

チェック痛みが軽度の方に向いており、「お風呂などで暖めると楽になる」など血液の循環不良が原因となって痛みが引き起こされている方におすすめです。

ベルトタイプ:【保湿・圧迫機能】

膝 サポーター 膝痛

サポータータイプに比べ、より圧迫でき固定することができるため、一部分にかかっている負担を支えてくれます。

多少大きくなったり、ごわつく事やベルトが多く付け外しに時間がかかるといった難点があります。

チェック痛みが激しい方や軽度の変形がある方におすすめです。

支柱付きタイプ:【保湿・圧迫・支持機能】

医療機関でも使われることが多く、最も安定性が高く関節のぐらつきを抑えることができます。

難点としては膝の運動が制限されてしまうことですね。

また、装具自体が大きくなるためズボンの着脱が難しくなり、ズボンの上からつけると見た目が悪くなるといったこともあります。

チェック中程度の変形があり、膝にぐらつきがある方におすすめです。

また、支柱付きタイプでベルトがついている商品もありますので、実際にご自身に合うか試してみるといいですね!

それぞれの種類によってメリットデメリットがあります。

サポーターは装着している時の固定力なども大切ですが、つけやすさお値段にも重点を置いて検討する必要があります。

せっかく高いものを購入したのにつけにくくて使わなかった。

高いものを買ったのに服の上からではみっともなくて外出先では外していた。

ではもったいないですよね。

自分が求める機能を備えているか、なおかつ使いやすいものを選ぶことが大切だと思います。

 

疾患別のサポーターの選び方

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ここでは実際に膝の痛みの原因となる疾患別にサポーターをどのように選べば良いのかを挙げていきたいと思います。

変形性膝関節症

変形性膝関節症では膝の軟骨がすり減ってしまい、膝が内側や外側に入ってしまっています。

この状態で体重がかかると膝の内側や外側の一部分に負荷がかかりすぎてしまうので、炎症が起きて痛みが生じてしまう事につながるのです。

変形性関節症では変形の方向によって使用する装具が変わります。

内反変形(O脚)の場合

日本人に多いタイプの変形です。

内反変形の場合は膝が外側に入っているため、

膝を外から内へ引っ張る力が伝わるベルトタイプ」がおすすめになります。

外反変形(X脚)の場合

外反変形の場合は膝が内側に入っているため、

膝を内から外へ引っ張る力が伝わるベルトタイプ」がおすすめになります。

ベルトの引っ張る力が伝わる方向が逆になると悪化する危険性があるため注意が必要です。

方向がわからない場合はお店の方や医療機関で相談して購入しましょう。

変形が重度で、膝のぐらつきがひどい人はベルト付き支柱タイプもおすすめです。

内側側副靭帯損傷

内側の靭帯が緩いため膝が内側へ入りやすくなります。

内側(両側)に支柱がついた支柱付きタイプ」、

膝を内側から外側へ引っ張る力が伝わるベルトタイプ」がおすすめです。

外側側副靭帯損傷

外側の靭帯が緩いため膝が外側へ出やすくなります。

外側(両側)に支柱がついた支柱付きタイプ」、

膝を外側から内側へ引っ張る力が伝わるベルトタイプ」がおすすめです。

また、内側側副靭帯損傷、外側側副靭帯損傷のどちらにも使うことができる、膝を安定させるために筋を圧迫してサポートしてくれるタイプもあります。

前十字靭帯(ACL)損傷

前十字靭帯を損傷すると関節が不安定になり、半月板軟骨損傷などの合併症を引き起こす危険性があるため予防として膝サポーターを使用することがあります。

大腿骨(太ももの骨)に対して脛骨(膝下の骨)が前方に引き出されるため、

日常生活では前後の動きをサポートするベルトタイプ

スポーツなどをする時は脛骨を前側から固定する支柱タイプ

で、硬い素材でできたものを使用することあります。

後十字靭帯(PCL)損傷

ACL損傷と同様に半月板や軟骨の損傷などの合併症予防として使用することがあります。

大腿骨に対して脛骨が後方に引き出されるため、

日常では前後の動きをサポートするベルトタイプ」、

スポーツなどをする時は大腿骨を前側から固定する支柱タイプ」のものなどを使用します。

 

まとめ

膝 運動 ウォーキング 体操

膝サポーターを使用することは、変形から起きている痛みや靭帯などの損傷から起きている痛みについては効果があることが考えられます。

膝の痛みすべてに効果があるとは言えませんが、試してみる価値はあるでしょう。

購入する際はしっかりと自分の膝の症状や状態にあった機能のものを選びましょう!

サイズもが合ったものを選ばないと、ぶかぶかでは固定力が弱くなり、せっかく着けていても効果が得られないことがあります。

購入前に膝から約10㎝上の太ももの周径を測っておくとサイズ合わせがしやすいですよ。

また、締め付けがきつくなると循環不良をおこして痛みがでたり、長時間の使用でかぶれたりすることがあるので注意して下さい。

外出の間だけなど、少しの時間から試してみるといいですね。

膝サポーターを有効に使い、少しでも痛みのない楽な生活を送りましょう!