年配者のお膝が痛くなる三大要素は、「女性・年齢・体重」です。
しかし、性別や年齢はしょうがない、体重は努力しても減らないと、がっかりしないで下さい。

変形性膝関節症の患者さんにお勧めしている、対策と自宅で出来る運動療法をご紹介します。
ぜひ参考にして頂き、少しでも緩和できるようにしていきましょう!
脚の筋力低下が原因です
女性は男性に比べ筋肉量が少なく、膝にかかる負担を支えきれないため、関節を痛めてしまいます。
また、女性ホルモンも関与しているとも言われています。
筋力が低下していくと、より関節が不安定になり、症状が進行してしまいます。
年齢と共に、膝関節の軟骨が摩耗したり、靭帯が痛んでくるのです。
ですが、歳だから、筋肉が弱いからと諦めないで下さい。

筋肉は、年齢に関係なく鍛えれば必ず強くなります!
お家で出来る、膝の筋トレ

まずは筋肉トレーニングです!
太ももの前、やや内側にある、大腿四頭筋の内側広筋を鍛えましょう。
仰向けに寝て、片方の膝を立てます。
反対側の足首を反らせて、ゆっくり膝を伸ばすように、太ももに力を入れて下さい。
かかとが床から15センチ位上がるように、しっかりと脚を伸ばしましょう。
5秒間保ってから、ゆっくり力を抜いて、5秒間休みます。
辛くなければ、5回繰り返して下さい。
膝や腰に痛みを感じたら、無理して続けず、休止しましょう。

脚に力が入りにくい時は、膝裏にクッションを当てると、楽に行えます。
内側広筋は、膝を支えしっかりと伸ばす時に使う、大切な筋肉ですので膝痛の方は是非鍛えて下さいね!
体重の増加は、膝の大敵
歩行時は体重の3倍、階段では7倍の負荷が膝関節にかかります。

体重の増加は、軟骨を痛める原因となってしまいます。
膝の治療において、体重のコントロールはとても重要なポイントのひとつです。
貴方の膝を守るためにも、継続できるダイエットに取り組んで下さい。
炭水化物制限ダイエット
つらい、無理なダイエットは、継続が困難で、結局リバウンドしてしまいがちです。
一日に摂取する炭水化物の全体量を少しずつ減らせばよいのですが、なかなか困難のようです。
そのような方には、「ローカーボダイエット」か「8:16ダイエット」をお勧めしています。
ローカーボは、3食のうち2食だけ炭水化物を制限するダイエット法です。
白米・パン・粉もの等を抜くのが苦手な方は、8時間以内に食事を終わらせる、8:16ダイエットのほうが良いでしょう。

どちらも緩やかですが、続けやすい食事制限ですので、お試し下さいね。
膝をゆっくり動かしましょう
膝の曲げ伸ばしが辛くなると、痛みを避けるために屈伸運動が減少します。
正常な可動域を維持できなくなった関節を動かす筋肉は、強張ってしまい、より痛みが強くなります。
完全に曲げる、伸ばすといったストレッチを無理せず行ってください。

膝関節の軟骨を栄養する関節液の、循環を良くする運動もお勧めです。
仰向けに寝て、ゆっくり片ひざを屈伸するだけです。床の上を、かかとを滑らせるように5秒かけて曲げ、5秒かけて伸ばしましょう。
軟骨の再生を促してくれます。
お皿の周りもケアして下さい
膝のお皿は、膝の運動に重要な働きをしています。

滑らかに動くようにしっかりケアしましょう。
まずは、お皿の周りに触れて、固いしこりがあれば、優しく揉みほぐします。
次にお皿のストレッチです。
両手の親指と四指でお皿を挟みます。ゆっくりと上下、左右、斜めの方向にお皿を動かして、ストレッチしましょう。
生活動作での屈伸運動が楽になります。
負担をかけたり無理はしない
変形性膝関節症は、放置すれば徐々に悪化してしまいます。
人工関節になれば、痛みは消退しますが、膝関節が90度までしか曲がらず、日常生活に支障が出てきます。
ヒアルロン酸・ステロイド・消炎鎮痛剤の注射は、とても有効ですので、痛みの強い方は、必ず整形外科を受診して下さい。

並行して、運動療法や減量をして頂き、変形性膝関節症の進行を抑えましょう。
立ち上がり時や階段昇降時は、良い方の足から出すように気を付け、手すりも利用して下さい。
日常生活に注意し、お膝への負担を減らすことで、お膝の痛みが少しずつ楽になりまので、諦めずにチャレンジして下さいね!