「肩がガチガチに硬くなる」、「血行不良で首が痛くなったり頭痛にまで発展する」、場合によっては「気分が悪くなり仕事も手に付かない」、「痛みのあまり寝ていられず寝不足になってしまう」など普段の生活にも影響を及ぼしてしまいます。

なにより、各個人で症状の度合いも部位も違うため、自分は何が原因でどの診療科に診てもらえば改善されるのかわからないという方もいらっしゃるでしょう。
辛い肩こりを緩和していくには、どのようにして治療していけば良いのか、病院で何科を受診すれば良いのか、普段の生活で出来る対策や予防方法をまとめてみましたので見ていきたいと思います!
原因とリスクについて
原因として、主に以下のようなことが原因と考えられますが、当てはまる症状はあるでしょうか?

なお、その原因により更に悪化した場合どうなるのか、リスクについても書いていきますね!
運動不足による血行不良からの肩こり
動物の体には、骨と筋肉がありますが、筋肉を動かすことでポンプのような役割を担うため、血流も良くなります。
しかし、移動は車、仕事疲れで運動もほとんどしないという場合、段々と筋肉が細くなって行き、結果として、ポンプのような役割が薄れ血流が悪くなる、つまり肩こりが起きるという訳です。

更に悪化すると、血流が著しく滞り肩こりでは済まされないほどの痛みと苦しみが引き起こされることがあります。
姿勢の悪さからくる肩こり
姿勢が悪いと肩こりになりやすいと言われますが、筋肉が緊張し続けることで収縮しなくなり血行が悪くなることが原因となります。
長時間パソコンを打つ仕事が多い人は、腕が前に伸び肩の筋肉が緊張する姿勢になっており、この姿勢が長時間続くことで肩の筋肉が疲れる状態になります。
また、猫背の姿勢の方は、肩に掛かる重さが均等では無くなり、一部の筋肉のみに緊張をさせることになります。

血行を悪くし、肩こりが酷くなる原因となります。
歯の噛みあわせからくる肩こり
肩こりは、肩の筋肉の血行が悪くなることが原因と言う場合が多いのですが、意外なことに歯の噛みあわせが悪いと肩こりになることがあります。
噛みあわせが悪いと、噛むための筋肉のバランスが左右で異なることになり、徐々に肩から繋がっている筋肉のバランスも崩れてきます。
すると体のバランスも崩れ始め、肩や腕、あるいは腰など一見無関係の場所にまで影響を及ぼすことになります。

放っておくと体全体に影響が広がり、あまりの辛さに精神的にも病む場合があるので注意が必要です。
筋肉量の少なさからくる肩こり
女性や、やせ形の男性などに多いタイプですが、これも「運動不足」同様に筋肉量が少ないために血行が悪くなり肩こりが起こります。
元々女性は、男性と同じ量の運動をしても、ホルモンの影響で筋肉が付きにくいため起こりやすくなります。
また、冷え症も女性に多いのですが、同様の理由で筋肉量が少ない故に、基礎代謝も落ちることになります。
体温を見ても分かりますが、筋肉量が少ないと食事で摂取した栄養分を効率よく燃やすことが出来ないため体温が低い傾向となります。

最悪は35度程度の極度の低体温になり、内臓疾患など予期せぬ病気にも繋がってしまいます。
骨格のゆがみやズレからくる肩こり
姿勢が悪いことから骨格が歪むことは良く知られていますが、歪みが肩こりに繋がるというのはあまり知られていません。
骨格が歪み始めると、それを戻そうとすることで一部の筋肉に負担が掛かるようになります。
すると、負担が掛かった筋肉をカバーしようと他の筋肉に負担が掛かり、体全体バランスが狂うことになります。

骨格がズレた状態が更に続くと、自然には戻りにくくなり、最悪は肩こりがずっと続くことになります。
心臓病などの要因からくる肩こり
筋肉量も多く、体の歪みも無く、歯の噛みあわせも異常がないのに、肩こりが生じる場合は他の病気の可能性があります。
慢性的に肩こりが起こるようであれば、姿勢が自分では分からない程度に悪い、ということも考えられますが、急に肩こりが起こった場合は要注意です。
狭心症や心筋梗塞の起こり始めなど、心臓に痛みが走らず、違う症状になって現れることがありますが、肩こりもその前兆と言われています。

数日間左の肩が痛かったり、こりが取れない場合は医師に相談するなどした方が安心です。
上記の複合要因からくる肩こり
「肩こりが長年治らない」、「運動をして筋肉が付いたはずなのに肩こりが一向に良くならない」、「歯の噛みあわせを治したはずなのに」、「姿勢に気を付けているのに」、やはり肩こりが治まらなかったりした場合は、複合要素が絡んでいる場合があります。

いつか治るなどと言った楽観的な考えでは、もっと悪化する場合があり長い間苦しむことにもなります。
受診すべき診療科と注意点

肩こりと一言に言っても、このように千差万別の要因に起因していますので、それぞれに合った治療方法が必要になります。
要因別の受診する科も書いておきますので、診察を受ける際の指針としていただければ幸いです!
運動不足と筋肉量不足に対して受診すべき診療科
筋肉を付けるということで運動をするのが一番良いのですが、持病があったりして運動が出来ない場合もあります。
そのような場合は、まずは掛かりつけの担当の医師に相談した上で方向性を探ると良いでしょう。

運動が問題なく出来る方は、有効な運動プログラムについて、整形外科を受診し運動療法士とメニューを組むと改善が期待できます。
姿勢の悪さと骨格のゆがみに対して受診すべき診療科
姿勢の悪さは意外に自分ではわからないもので、他人から指摘されて初めて気づくことも多くあります。

仕事が関係しているのか、普段の習慣が関係しているのか、肩こり外来、無い場合は整形外科を受診するといいでしょう。
客観的に見てもらうことで、肩こりの原因が姿勢なのかどうかが分かります。
噛み合わせの悪さに対して受診すべき診療科
鏡の前で自分のの顔を観察すると、噛みあわせの良し悪しが分かることがあります。
笑わない状態で口角がどちらか一方極端に上がる場合は、噛みあわせやあごの骨格がズレていることを意味します。

まずは歯科で診療してもらい、場合によっては大きな病院の口腔外科を紹介してもらうとはっきりするでしょう。
心疾患起因の症状に対して受診すべき診療科
肩こりだけでなく、肩周辺や胸の上部に痛みや違和感がある場合は要注意です。

特に晩秋など気温差が激しくなり、急に寒い所に行くとこのような症状が出るという場合は、迷わず内科を受診すべきです。
程度によっては心臓外科などになりますが、気温差が激しい時期に症状が出やすいという特徴があります。
複合要因に対して受診すべき診療科
複合要因に際しては、まずは心当たりの症状が関係する診療科に行くことから始めるといいでしょう!

病院によっては、肩こり外来という科もありますので、そこでいつからなのか、どんな状態なのか、どのような時に症状が出るのかなど詳細をきちんと説明することです。
専門で見ている先生が多いので、「このような場合はどうですか?」などいろんな質疑応答の間におおよその原因がつかめることもあります。
解消方法および予防と対策

病院で治療を開始し症状が改善した場合は、悪化や再発防止のための予防が大切になってきます。
予防のために自分で出来ること、対策として留意しておかなければいけないことについて書き留めておきます。
運動をし代謝を上げ、血行を良くする
こまめに運動をし筋肉を付けるようにするといいでしょう!

ジョギングなどの有酸素運動よりは、腕立てなどの無酸素運動をした方が結果的には早く症状が改善します。
長時間、しかも毎日行うことは大変ですしモチベーションの維持がしにくいですから、なるべく短時間で、一日おきに5分でも良いので集中して行う方がより結果に繋がりやすくなります!
姿勢を良くするためのストレッチ
姿勢が悪いと言うことは、体の歪みが生じており一部の筋肉が緊張状態にあることを意味します。
周辺の筋肉でカバーしようとすると、徐々に筋肉が固まってくるのでほぐす必要がありますからストレッチをすると良いでしょう!

お風呂上りや運動の後など体温が上がっている時に、普段からこりやすい部分の周辺の筋肉や筋に柔軟性を持たせておくことで、こりが起こりにくい状態にすることが出来ます。
虫歯や噛み合わせ不良になっている歯の矯正
食べ物をいつも同じ側の歯で噛んでいる場合や、虫歯があり噛め無い場合などが原因となっている場合が多くあります。

なるべく左右均等に噛むようにし、虫歯を放置せずにきちんと治す事が改善に繋がります。
さらには虫歯の原因として、歯の磨き方が合わない場合もありますので磨き方の指導を受けたりすると効果が出やすいでしょう!
生活習慣病の改善
運動不足など生活習慣に問題がある場合は、直ぐには肩こりが改善しないケースが多く見られます。

食生活の改善や睡眠時間の確保など規則正しい生活を心がけましょう。
それからタバコを吸っている方に肩こりが多いと聞いたことがありますが、タバコに含まれる成分には、血管を収縮させ血行を悪くする作用がありますので肩こりに繋がりやすくなります。
まずは、禁煙をし血行が悪くなる要因を取り除くことから始める必要があるでしょう。
まとめ
肩こりにもいろいろな原因があり、人それぞれで悩んでいる症状が違うと言うことが言えます。
特に、原因がいくつか重なって起こる複合型の場合は、原因を一つ潰しても根本的な改善が見られないため、どこの病院に行っても原因が分からないことがあります。

私も以前、頭痛に悩まされたことがあり、脳外科や頭痛外来、肩こり外来を受診しましたが、医師に見てもらっても一向に原因が分からず、数ヶ月苦痛を味わいました。
結局、頭痛の原因は蓄膿症だったのですが、このようにまったく関係が無いと思われることでも原因となる場合があります。
医師に全てを任せるのではなく、自らインターネットで調べてみたり、セカンドオピニオン(複数の病院で見てもらう)を行うと、違う視点からアプローチできますので柔軟に対応していきましょう。

ひとりで悩まずに聞いてもらうだけでも、気分的に解放されますので悩まないようにしてくださいね!