疲労回復や、肩こり解消グッズの中でも昔から愛用されているものの一つにツボ押しグッズがありますが、形や大きさも様々です。

今回は、痛みもあるひどい肩こりに対してその症状を解消できるツボの場所とツボの刺激の仕方等を画像図を使い紹介していきたいと思います!
ツボって何?
「痛み」「圧力」「温感」「冷感」を感じる知覚神経は全身の皮膚や筋肉に張り巡らされています。
その中でも特定の場所(ツボ)の知覚を刺激すると圧力や温度の感覚だけでなく、そのツボと連絡している脳の特定の部位が働き出して様々な反応・効果が出ます。

東洋医学の考え方が基本のツボですが、現在はWHO(世界保健機関)も361穴(点)のツボを健康の維持増進に効果があるとして認めているようです。
正しいツボの見つけ方と押し方

様々な媒体で紹介されるツボですが、その見つけ方と押し方もここでもう一度確認しておきましょう。
見つけ方
ツボの場所の説明には○○と○○の中間点、○○にあるくぼみ、○○骨の端(またはおへそ等の目印)から指11〜4本分の点、 (○○は筋肉や骨の名前) というように多くの場合、骨や筋肉が目印にされています。

下記の説明に写真や図も付いているので、骨や筋肉を覚えておく必要はありませんのでご安心を。
ただ、くぼみや中間点と説明されても、くぼんでいる所や中間点をハッキリと確認しにくいのが実際です。
そんな時は、その場所にある骨の向き・筋肉の流れに沿って前後させて探してみてください。

押していて気持ちいい、またはイタ気持ちいい所がツボです。
指の幅は人によってまちまちですが、自分の体を測るには自分の指を使うのが最適です。
ツボの押し方
方向
押す方向は体の中に向かってだけでなく、様々な方向があります。
近くにある骨に向かって押す。
近くにある筋肉を体からはがすような方向に押す。
斜め下におす。
皮膚をえぐるように押す。
向きによってはツボ押しの効果が出ない方向もありますし、痛いだけの方向、すごく気持ちいい方向もあります。

ツボによって効果の出る方向はバラバラですので気持ちよく感じる向きを探ってみてくださいね!
強さ
押す場所と方向が決まれば、どれくらいの強さで押すといいのかを2通りの強さを使い分けましょう。
1つ目は、疲労感などを感じていてリラックスしたいと思う時の押し方です。
この時は選んだツボを「気持ちいい」と感じる強さで押しましょう。

強く押すほど効果が上がる訳ではないので、押しすぎないようにしてください。
2つ目は、コリや痛みを感じていて、それらをスッキリと解消・緩和したいと思う時の押し方です。
この時は「イタ気持ちいい」と感じる力で押してください。
1つ目の押し方よりもやや強い力で押すことになります。

「気持ちいい」感覚と一緒に少し「痛い」感覚も混ざった感じです。
スピード

早さですが、「ゆっくり押して、ゆっくり離す」がオススメです。
息を吐きながらゆっくりと押していきます。
「気持ちいい」「イタ気持ちいい」ところで5秒キープして、息を吸いながらゆっくりと押す力を抜いていきます。
回数

たくさんの回数を押しても刺激に慣れてしまうだけで効果はあまり上がりませんので、数回が目安です。
肩こりに効くツボの位置

では、まず肩や首のコリに効果的なツボを紹介します。
肩こり
刺激するツボは「肩井(けんせい)」です。

肩井(けんせい)は、第7頚椎と肩峰(けんぽう)を結んだ線の赤い中間点にあります。
第7頚椎はうつむいた時に出っ張る首の骨のうち一番高く出ている部分で、肩峰は肩の上で上向きに出っ張っている骨の部分です。

押す方向は皮膚に垂直方向で、イタ気持ちいい強さで5秒間押しましょう。
押しながら首を左右に倒すのも効果的です!
首こり
刺激するツボは「天容(てんよう)」です。

左右両耳の下で下顎の骨の角の後ろ側にあります。
横を向いた時、耳の下に浮き出る太い筋肉の前側の際が目安です。
ツボをひっかけて、頭の後ろから前に押し出すような方向に押します。
左右にあるので両方を刺激しましょう!
肩こりに伴う諸症状に効くツボの位置
肩こりが慢性的になると、目や耳などにも不調が出てきます。

肩こりに伴う代表的な以下の症状に対してのツボ刺激も紹介していきます。
目の疲れ
目が疲れたと思うと無意識に目頭をつまんでいる方もいらっしゃるでしょう。
刺激するツボは「睛明(せいめい)」です。

ハッキリとは見つけにくいくぼみだと思いますが、目頭のやや上で鼻寄りにあるくぼみです。
親指で左右の睛明を同時に押さえ、その奥の骨を押し上げるつもりで回数は3〜5回刺激します。
めまい

頭がボーッとする、フワッとするようなめまいの感覚の他、なんとなく周囲の音が聞こえづらいように感じる時にも効果を発揮します。
刺激するツボは「竅陰(きょういん)」です。

耳の後ろで下向きに出っ張った骨(乳様突起)の先端から骨に沿って後ろ上方にあるくぼみです。
両手で頭を掴むような形で親指を左右のツボに当て、頭を前上方に押し出すつもりで左右同時に刺激します。
回数は3〜5回が適当です。
耳鳴り
中耳炎や内耳炎といった具体的な疾患の他、血圧、気圧の変化でも耳鳴りは現れることがあります。

具体的な原因もないのにキーンと音が聞こえるときは一度試してみましょう。
刺激するツボは「耳門(じもん)」です。

耳の穴の前にある出っ張った軟骨の、やや上にあるくぼみです。
人差し指の腹で皮膚に垂直方向に押しながら、やや突き上げるような方向に押します。
片方ずつで構いませんので、3〜5回押して見てください。
頭痛
頭痛の中でも首や肩の筋肉のこわばり・緊張が原因の緊張性頭痛に有効です。
刺激するツボは「天柱(てんちゅう)」です。

後頭部の髪の生え際で、頚椎の左右にある筋肉(僧帽筋)のすぐ外側で、左右にあります。
後ろ頭を包むように両手を当て、左右の親指で同時に頭の中心に向かって押し上げるように刺激します。

痛みをスッキリさせたい時のツボ刺激なのでやや強めに押した方が効果的だと思います。
回数は3〜5回です。
ツボに詳しい鍼灸師

今回紹介したツボは、肩こりにまつわる各症状を改善するツボの中でも代表的なもので、場所も今回の6つは頭部や顔に集中しています。
しかし、ツボは全身にくまなく分布していて、今回紹介したツボ以外に同様の効果を持つ別のツボもあり、めまい、耳鳴り、頭痛でも人や症状の出方によっては、より効果の高いツボが他にもあるかも知れません。

また、ツボを刺激する方法も押すだけでなく、お灸を据えたり鍼を打ったりもします。
それぞれの人に最適なツボはどれか、ツボの刺激も指圧、お灸、鍼のどれで刺激するのが最も効果的か、これらをより的確に判断してくれるのは国家資格を持った鍼灸師さんです。
街の整骨院で鍼灸師さんがいる所も多いので、自分に合った鍼灸師さんと出会えるまで探してみるのも良いでしょう!
まとめ
ツボの刺激の仕方は指で刺激することを前提にお話ししてきましたが、他にもツボ刺激用の木製、プラスチック製グッズを使ったり、薬局で売られているお灸で温めてみることも刺激方法として有効な方法です。

今回紹介したツボ(さらには他の媒体で見られるツボも)に不調を招く可能性、副作用が出る可能性はありません。
周囲を気にしなくて済む指圧で実際に効果を確かめてみてくださいね!
参考文献:「ホントによく効くリンパとツボの本」加藤雅俊著 2011年 日本文芸社