肩がこったら貼り薬を貼ったり、自分で揉んだりするのが簡単で応急的な解決方法ですし、時間やお金に余裕があればマッサージ店に行ってみたりもするでしょう。

ですが、肩こりを緩和・解消する方法としてお灸や鍼治療を利用するという選択は案外見落としがちのようですので、「肩こりを緩和・解消するのにお灸や鍼治療はオススメなの?料金は?」という疑問について見ていきたいと思います!
お灸とは?

お灸というと、なんとなく古い人がやるものというイメージを持っていませんか?
確かに遣隋使、遣唐使の頃に中国から伝わった歴史のある療法です。
情景として思い浮かぶのは、お婆ちゃん、お爺ちゃんがもぐさ(ヨモギが原料)を肌の上に山のように乗せてジワジワと燃やしている風景ではないでしょうか。

そうしていた時代もありますが、今ではそのようなことはしません。
直径も高さも1cmになるかならないかの円筒の中にもぐさが詰められていて、それをシールで体に貼り付けます。
伝わってくる熱も火傷を心配するほど熱くはありませんし、一箇所のお灸にかかる時間も数分から十数分ほどです。
なので、同じ場所に繰り返しお灸をしても跡がついたりもしません。

肩こりをはじめ、弱った胃腸を回復させたり、冷え性を改善したりと様々な目的と効果があります。
それぞれの目的にあったツボの上にお灸を据えて、温熱刺激によって生じる生体反応を利用し体調の回復を図ります。
薬局でも売ってる!?
仕事として人にお灸をすえるにはきゅう師の資格が必要ですが、自分にお灸をすえること自体は誰にでもできることです。

誰でも薬局やドラッグストア、ネットショッピング通販などで簡単に買えますよ。
「せんねん灸」という商品名を聞いたことがある人も多いはずです。
市販のお灸では一大ブランドだと思いますし、煙が出ない、匂いが少ない、など種類も多数あって価格もそれほど高額ではないんです。
お灸の効果
お灸を使ってツボを温めるとその温熱刺激によってツボに応じた様々な生体反応が引き起こされます。

血行促進や免疫力アップなど活性化作用が得られたり、頭痛や自律神経系の乱れなどを鎮める作用が得られたり、効果は様々です。
いずれの効果も体の機能が正しく調整される自然治癒力によるものです。
お灸を使うこと自体にリスクはまずありません。

お灸で効果が期待できる症状は、肩こりはもちろん、消化器系症状、循環器系症状、免疫系症状、婦人科症状と多岐に渡ります。
鍼治療とは?痛い?

次は鍼治療がどのようなものかみていきましょう。
こちらも中国から伝わった療法で、ツボに鍼を刺して刺激を与え、血液の巡りを良くしたりします。
鍼(針)を体に刺すので、どうしても注射のようなイメージが湧いてしまって、「痛いんでしょ?」という方が多いと思いますので予備知識を把握しておきましょう。
中国鍼と日本鍼
鍼には中国鍼と日本鍼の2種類があって、鍼の長さ・太さが異なり、中国鍼は一本が長くて太いです。

それだけ細いため皮膚の痛覚も反応できずに、刺す深さも数mmから1cmほどなので痛みも感じません。
現在、鍼灸治療所は日本鍼を使うところがほとんどです。
かつて鍼は高温高圧で滅菌し、繰り返し使用する治療所もありましたが、より衛生状態を高めるために使い捨ての鍼に変わっています!
鍼治療の種類

お灸について、お灸で得られる効果を挙げましたが、鍼治療でも同様の効果を得ることができます。
実際に鍼灸の治療所に行くと鍼灸師さんがその人に合った鍼治療とお灸治療を組み合わせてくれます。
さらに鍼治療では緊張した筋肉の緩和効果や疲労回復効果も期待できるので、体の不調を回復させる治療分野だけでなく、美容やスポーツの分野でも利用されています。
美容鍼
女性の方ならどこかで一度は広告等で見聞きしたことがあると思います。

多くはフェイシャルエステのメニューに取り入れられて、顔のしわやたるみを目立たなくしたり、消したりしています!
シワ、たるみ、ほうれい線対策に貼るだけ!
↓ ↓ ↓
顔の表情筋を刺激して表情筋を活性化し引き締めることで、肌が持ち上がったりハリが出てきたりするのではないでしょうか!
スポーツ鍼
どの競技でも体を酷使するので筋肉や腱の使いすぎや故障はつきものです。
それでもパフォーマンスを維持するために練習前後やオフの時間にも体のケアは大事です。

競技前だと筋肉活動を活性化させる目的で、競技後だと筋疲労の素早い除去を目的として鍼やお灸を取り入れるアスリートもいるそうです。
特に、プロスポーツだと選手専属の医療チームも抱えて、スポーツマッサージやスポーツ鍼を積極的に使っているようです。
鍼治療の効果
お灸が温冷感覚への刺激なのに対して鍼治療は鍼で触ったり、鍼を刺したりする触覚・痛覚への刺激です。

刺激の種類は変わりますが、刺激が主に自律神経系、内分泌系、免疫系等に働きかける点ではお灸と共通する部分が多いですね。
生体反応とは、体の機能が崩れずに維持・安定するよう無意識に体内で起きるさまざまな反応で、過剰なものは抑える方向に、不足しているものは活性化する方向に、体が自然に調整する能力です。

肩こりの原因になっている筋緊張も、筋肉の過剰な働きを自律神経等に働きかけて解きほぐすことで解消できるのです。
お灸や鍼治療を受けられる場所

看板に「鍼灸整骨院」と名前のついている整骨院でも、鍼灸治療のみを行なっている「鍼灸院」、「鍼灸治療院(所)」でも受けることができます。
体をリラックスさせ、元気を回復させるという意味からリラクゼーションサロンなどでもお灸や鍼治療を実施してくれるところがあると思います。
また、一部の病院では整形外科やリハビリテーション科の中に療法の一つとして採用しているところもあります。
わざわざ病院に行くのは大げさでしょうし、鍼灸治療のみの鍼灸院に入るのも実際敷居が高く感じられるものです。

整骨院やリラクゼーションサロンで他の施術も受けつつ、温かいお灸から試してみるのが気軽に試せる方法ではないでしょうか。
お灸や鍼治療の料金は?
鍼灸治療というように治療ではありますが、今の日本では健康保険の対象にならない民間療法として位置づけられていますので、基本的に健康保険などを使って受けることはできません。
治療一回あたり数千円のところから、メディアに出るような鍼灸師さんでは数万円が必要なところまでがあるように、資格を持つ鍼灸師さんの言い値のような部分があると思います・・・

ただ、最近では病院の中で取り入れられたりして健康保険の治療として一部認められることもあり、その場合の料金は他の医療費とそんなに違わない料金になっています。
まとめ

肩こり解消にお灸や鍼治療を利用することも十分に有効な方法です。
一回の施術できれいさっぱり解消できるかどうかは肩こりの質によりますが、数回受ければ違いもハッキリするはずです!
肩こりだけでなく、冷え性やむくみなど解消方法がイマイチよく分からない症状にも対応してもらえて、美容にも役立つお灸・鍼治療は受けてみる価値ありですよ!