肩こりを綺麗さっぱりと消せる方法はなかなか見つからないもので、肩こりに悩んでいる人は健康グッズに凝ってみたり、薬局やドラッグストアの服用薬や外用薬をいろいろ試してみたり、試行錯誤の連続ですよね。

今回は多くの人が使用中、あるいは使用経験済みであろう湿布(パップ剤・プラスター剤)の種類と肩こりに対するオススメ度をみていこうと思います!
湿布の種類
ペラペラとして四角い形の貼付薬を、多くの方は「湿布」と一括りに呼んでいると思います。

間違いではないのですが、その「湿布」と呼んでる貼付薬の中にも種類があるのです。
種類を違えて使ったからといって症状を悪くすることはほとんど無いでしょうが、その人・その時の肩こりの症状に対して効いているのかどうかはっきり分からないまま無駄に使ってしまいたくはないですよね。
パップ剤
市販の貼付薬として初期から「湿布」として広く認識されているのはパップ剤の方だと思います。
肌に触れる面の主な材料は水分を多く含んだジェル状物質で、多くの場合このジェルは水とグリセリンの混合物からできています。

このジェルに消炎や鎮痛効果のある薬剤を混ぜることで消炎鎮痛効果のあるパップ剤になります。
ジェルに水分が多く含まれているので自然と皮膚温を下げる効果もありますが、さらに冷感を高めるためにメントールやカンフルといった精油成分も加えられています。
ジェルに多くの水分が含まれているので、比較的肌に優しいといえます。

ただし剥がれやすいのが欠点で、動きの大きい関節部分に貼るためには工夫が必要です。
プラスター剤
市販薬として登場するのはパップ剤よりも後になってからのようです。
プラスター剤の場合、肌に触れる部分は薬効成分と粘着剤を混ぜ合わせたもので、パップ剤のジェルがなくて水分が含まれないため、冷たい感触が苦手な人にも適しています。

布のような生地のパップ剤に比べてプラスター剤の生地は伸縮性の高いフィルムでできているので、薄くて軽く、よく動く関節部分に貼ってもなかなか剥がれません。
肌に触れる部分の材料がほぼ粘着剤と薬効成分だけなので、貼った時の違和感はパップ剤よりも少なく、水分がないので保温性もパップ剤よりも高くなっています。
反面、薬剤の浸透率がパップ剤よりもやや低いようです。
貼付薬の薬効成分
サリチル酸メチルという薬剤が、かつてはよく利用されていました。

よく言われる「湿布臭い」臭いの元はこのサリチル酸メチルです。
今でもこの臭いのする貼付剤は販売されていますが、主流ではなくなっている感があります。
インドメタシン、フェルビナク、ロキソプロフェン

サリチル酸メチルに代わって最近の貼付薬でよく耳にする成分が、インドメタシンやフェルビナク、ロキソプロフェンです。
これらは他にもあと数種類存在する薬剤と合わせて、非ステロイド性消炎鎮痛薬というグループにまとめられています。
同じ消炎鎮痛薬を使った貼付薬と内服薬
これらを成分とした痛み止め内服薬も市販されています。
この違いは、「痛みを感じる部分へ皮膚を通して直接薬効成分を届けるのか」、「血液に混ぜて全身を経由して届けるのか」の違いです。
インドメタシンやフェルビナク、ロキソプロフェンの薬剤を使用した貼付薬は「湿布臭い」臭いがあまりしません。
パップ剤とプラスター剤の使い分け

先に紹介しましたパップ剤とプラスター剤の特長の違いを踏まえて使い分けの方法を紹介していこうと思います。
痛くて辛い肩こり症状の緩和・解消が主な目的なので、重視すべき点は、
皮膚温を下げるかどうか
薬効成分
この2点に尽きると思います。
皮膚温を下げる効果が必要か不要かの判断は痛みの種類で分かれます!
炎症性と非炎症性
痛みの種類というのは炎症性と非炎症性の違いです。

炎症には五大兆候というものが存在します。
疼痛(痛み)・発赤・腫脹・熱感・機能障害の5つで、これらを総合的に抑えることで炎症を解消していきます。
肩で痛みを感じても、それ以外の4兆候は軽微で見分けづらいのが実際だと思います。

反面、非炎症性の痛みでは発赤や熱感、腫脹を伴いません。


薬効成分による使い分けや副作用について
現在、市販の貼付薬は先に紹介した非ステロイド性薬剤を使用したものが多く目につくように見受けられます。
皮膚を通して患部にのみ薬剤を届けるのが特徴の貼付薬ですが、これらの薬剤は鎮痛内服薬にも応用されている通り厳密には副作用に注意する必要があります。

パッケージの注意書きに記載があるはずですが、慢性の内臓疾患を持っている方は要注意です。
痛くて辛い肩こりの場合
肩こりに痛みを伴っている時、
その痛みが時間的に徐々に強まってきたものなのか
ある時を境に一気に強い痛みとして現れたものか
を思い返してみましょう!

時間をかけて強度が増した痛みは非炎症性の痛み、一気に強い痛みとして現れたものは炎症性の痛みだと大まかに見当をつけることができます。
非炎症性の痛み

非炎症性の痛みの代表例が一日中のデスクワークなど長時間同じ姿勢などで出てくる痛みです。
「時間をかけて強度が増す」の時間は半日でも、2〜3日かかってでも変わりはないです。
この場合、血流を上げることで痛みは和らぐ方向へ向かうので、皮膚温が下がってしまうのは避けたいところ。

プラスター剤を使って皮膚温を保つのがベターです!
炎症性の痛み

一方、炎症性の痛みの代表例が寝違いやむち打ちによる痛みです。
悪い寝姿から頭を動かした時に、一気に痛みが発生します。
むち打ちは交通事故やジェットコースターの急旋回など、瞬間の衝撃が原因です。
痛みの他に、熱感や発赤も場合によっては確認できると思います。
首や肩は痛くて動かせなくなっているので、機能障害は明らかです。

こちらの場合は皮膚温を下げる効果もあるパップ剤を使って熱感も抑えましょう。
まとめ
段階的にジワジワと強さが増した痛みであればプラスター剤で対処、寝起きに寝違えていたり、振り向きざまにズキっと痛みが来た時はパップ剤の使用をオススメします!

症状や状態に合わせた対処で改善へ導いていきたいものですね!