一概に肩こりといっても人によって、「肩が重く感じると仕事や生活に支障が出る人」、「痛みがあっても無理して我慢する人」など症状や悩みはそれぞれあるのではないでしょうか。
ここでは、痛みを伴っている肩こりに注目して、その解消や緩和にパップ剤やテーピングが役に立つのかを見ていきたいと思います!
痛みのある肩こり

肩周辺に限定して重だるさや緊張を感じている状態の肩こりは比較的軽症だと言えます。
重だるさにも程度の幅はありますが、お風呂や睡眠、ちょっとした運動で解消できたり、他の人にマッサージしてもらって解消・緩和できている方もいらっしゃるでしょう!
ですが、自力で解消できていた肩こりも長期化・重症化してくると必ずというわけではありませんが痛みを伴うようになってきます。

3つの場合のうち肩と首・頭はほぼ同じ原因であり、手・腕は少し状況が異なります。
肩、首・頭
肩と首・頭に関しては、頭の重量や腕の重量に負けて姿勢が崩れないように、首後面から肩にかけての筋肉が緊張したままになってしまいます。

力が入りっぱなしで筋肉に休む暇がない状態ですね。
力が入ったままの筋肉では血液循環が悪くなり、筋肉内で生成された疲労物質や老廃物が筋肉外へ排出されにくくなる上に、新しい栄養も入ってきづらい状態が続きます。

そうすると筋肉内に溜まった疲労物質・老廃物が引き金で、肩や首に痛みが自覚されるようになります。
「お風呂などで温めてください」と勧められるのは、温まることで血管が広がり血流が活発になって疲労物質や発痛物質が速やかに筋肉外へ出やすくなるという根拠から勧められるのです!
手・腕

手・腕が痛む場合は少し状況が異なっていて、神経性の痛みだと思われます。
腕の中に通る神経は、脳・脊髄を出たあと鎖骨やや上で首の筋肉の隙間を通って指先まで伸びています。
肩こりが高じて、首の筋肉も緊張続きになると神経が通っている隙間が無くなるぐらいに狭くなって神経を締め付けてしまいます。

神経が締め付けられると、締め付けられている部分から遠い側(首から見て手や腕の側)の神経ではシビレや痛みが生じてくるのです。
パップ剤とプラスター剤の違い
いわゆる湿布は薬効部分の性状でパップ剤とプラスター剤に分けられます!
パップ剤
パップ剤とは医薬品粉末と精油成分を混ぜたものを布に薄く広げて患部に貼るものです。
精油成分にはグリセリンやサリチル酸、ハッカ油などが含まれており、サリチル酸が湿布独特のツンとした匂いの元になっています。

サリチル酸と合わせてハッカ油が混ざっていることで貼った時に冷感を感じることになります。
プラスター剤
一方、プラスター剤は薬効成分と粘着剤をフィルムに薄くのばしたもので、パップ剤よりも伸縮性が高く関節部分にもよく貼りつき、水分などを含んでいないので冷感がなく保温性に優れています。
どちらも消炎や鎮痛の目的で使用されますが、
パップ剤は冷感も伴うので捻挫や打ち身など熱感もある急性疾患向け
プラスター剤は保温性が高く慢性の肩こり、腰痛向け

このように多少なりとも使い分けの目安があります。
痛みのある肩こりにパップ剤は有効か?
では、痛みのある肩こりにパップ剤は有効かという問題についてです。
肩こりは日々の生活習慣の中で蓄積した疲労などで重だるさや痛みを感じるもので、関節の捻挫や筋肉の打ち身のように瞬間の出来事がきっかけの急性疾患ではありません。

急性の疾患であれば痛みある部分に血液が集まってきているので、炎症の四兆候(痛み、腫れ、熱感、発赤)がみられます。
この時にパップ剤を用いると、消炎鎮痛に加えてサリチル酸やハッカ油の冷感効果で熱感もいくらか抑えることができます。

ですが、肩こりでは痛みが出ていても患部の炎症とはいえず、鎮痛以外に求める効果は血液循環の促進です。
痛みのある肩こり解消・緩和にテーピングは効果があるの?
では、テーピングに肩こり解消・緩和の効果があるかどうかについてですが、一つ注意点があります。
肩こりを炎症とは言いにくいですが、痛みが出るほどの肩こりであれば首や肩の運動が制限されているかも知れません。
そうゆう意味では、テーピングは鎮痛よりも運動制限を緩和するという効果が期待できます。
キネシオテープ

使用するテープはキネシオテープをおすすめします。
肌が弱い方だとかぶれたりかゆみが出る可能性もありますが、ドラッグストアで簡単に入手できて、かつ医薬品のように副作用や依存を考える必要がありません。
スパイラルテープ

もう一種類、スパイラルテープというテーピングも効果を期待できます。
ドラッグストアで見かけたことはありませんが、アマゾンで購入できます。
2〜3mm幅のテープが格子状に組まれた状態にできていて、面積が大中小の3種類用意されており、肩や首に貼る場合は小サイズで十分です!

キネシオテープもスパイラルテープも濡れに強く、2〜3回の入浴では剥がれないのも特徴です。
肩にテーピングを貼る方法
必要な長さは肩の大きさや貼る場所によるので一概に指定できませんが、肩こり対策に使用するキネシオテープは37mm(表記によっては38mm)幅のものが最適だろうと思います。

テーピングテープは湿布のようにペタッと貼るだけでは効果が発揮されにくいです。
首に貼る例で言いますと、髪の生え際からTシャツ等肌着の襟のあたりまでの長さでテープを用意します。

貼る部分の筋肉や皮膚ができるだけ伸びるように、首の後ろに貼る場合はできるだけうつむきます。
キネシオテープ
キネシオテープの貼り方の基本は筋肉の伸縮方向に沿って貼ることです。

スパイラルテープ
スパイラルテープについては、サイズが小さいことや伸縮性がほとんどないことからキネシオテープほどのコツは不要で、痛みやコリを感じる場所に貼ると不快感が軽減されます。
貼る枚数は任意になりますが、背骨に対して左右対称になるように貼るのがより良い貼り方になります!
まとめ

痛くてひどい肩こりの痛みも重だるさもきれいサッパリに解消しようと思うと、パップ剤やテーピングでは力不足だと言えます。
ただ、肩こり症状の全部を解消できなくても、「とりわけ痛みだけでも緩めたい」「肩の動かしにくさだけでも緩めたい」と思った場合には、パップ剤よりも冷感の抑えられたプラスター剤を貼付したり、テーピングを貼ってみたりすることも十分におすすめできます。
緩和できる症状は限定的になるかも知れませんが、パップ剤、プラスター剤、テーピングの症状緩和の効果が劇的に現れることもあるので一度利用してみるといいでしょう!